太明コラム

もしものときの災害に備える家づくり~水害編②~

地震や台風などの自然災害が目立つ日本ですが、それ以上に、被害数が多く、そして日本中どこにいてもその危険に見舞われる自然災害が「水害」です。

日本には大小縦横無尽に河川が流れ、沼があり、湖があり、川のないところにはため池があり、そして島国ですので、国を囲んでぐるりと海岸線があり大海原へとつながっています。

暮らしや産業を支える上で必要な「水」が豊かであることはとても良い事ですが、集中豪雨やゲリラ豪雨、線状降雨帯など、想定外の大雨に見舞われてしまうと、豊かな水は一気に牙をむき、河川の氾濫や土砂災害、高潮などの「水害」をもたらします。

近年の異常気象により、日本各所で「何十年に一度の大雨」に見舞われ、水に沈み、土砂に埋もれた場所は数知れません。

もしもの災害に備えるための家づくりとして、水害対策をご紹介します。

日頃から備える5つの水害対策

日頃から水害に備えるためにはどのような自衛策が必要でしょうか?
5つのポイントをまとめました。

(1)土のうの準備をしておく
土のうは、水や土砂の流れを食い止める効果があり、浸水の際に非常に役に立ちます。
特に、水深の浅い初期フェーズや、小規模な水害などには最も有効的です。
土のうは自治体で配布する場合や、ホームセンターなどでも販売しています。

自治体の配布は浸水後となる恐れもあるので、ホームセンターで日頃から備えておくことをお勧めします。

(2)排水口の逆流には「水のう」が役立つことを知っておく
突発的な水害が発生する時は、洗濯機の排水溝から汚水が逆流するケースがあります。外部からでなく、室内の排水口から床上浸水してしまう厄介なケースです。

この場合に効果的な方法が「水のう」です。作り方は45リットル程度のビニール袋(自治体のごみ袋など)をニ枚重ねにして20リットルほど水を入れます。
中の空気を抜いて、口の部分をしっかり閉じれば水のうの完成です。

水害が発生する時に、この水のうをいくつか作り、洗濯機の排水口、トイレの便器、浴槽などに乗せておけば逆流浸水防止になります。
また、水のうは土のうの代わりにもなりますので、いつでも作れるように段ボールやゴミ袋などをストックしておくとよいでしょう。

(3)オリジナルのハザードマップを作る
自治体でもハザードマップを配布していますが、自治体のハザードマップはあくまでも目安としての危険地域を示しているため、近所の河川の道路状況がどうなっているか、
側溝は機能しているかなどは掲載されていません。
実際の水害に役立てるためには、オリジナルのハザードマップを作成する必要があります。

作成のコツは以下のとおりです。

・平常時に散歩がてら、川の流れる方向や川の濁り具合、護岸の様子をチェックしておく
・避難場所への「安全な避難経路」を確認しておく
・いざというときの避難場所として鉄筋コンクリート造りの3階以上の建物を探しておく
・勤務先や最寄駅周辺などの建物の状況なども確認しておく

(4)気象情報をすぐに見られるようにしておく
大雨が続いている時などは「防災情報」が頼みの綱です。
河川氾濫情報や降雨量予測などの防災情報が詳しく載っているサイトやアプリなどをピックアップしておき、いつでも見られるようにしておきましょう。

年配者のいる家庭などインターネット環境のない人には、いつでもラジオが聞けるような環境を整えておくとベストです。

(5)非常用品を備蓄する
大規模な水害が発生した時、電気・ガス・水道・道路などのライフラインが寸断される場合があります。
その場合に備え、最低でも72時間分生きていける分の水や食料などを用意し、最長でも一週間は持たせる装備が必要です。

水、食料以外は、防水懐中電灯、防水ラジオ、携帯電話の充電器、日頃飲んでいる薬、ランタン、日用品、カセットコンロ、カセットボンベなどです。

これらの非常用品は定期的にチェックし、季節の変わり目には賞味期限のチェックや動作チェックなどを行いましょう。

これから家を建てる人は水害を意識しよう

日本全国、どこにいても豪雨による水害が起こりうるリスクがあります。
これから家を建てる人は「水害」もリスクに入れてもしもの場合に備えましょう。

例えば、家を建てる場所の昔の歴史を調べ、かつては沼や河川ではなかったか、水害の記録はないか、など歴史から学ぶことも必要です。

土地に問題がなくても心配な人は、盛り土をして高くする、高床構造にする、などの対策も講じることができます。
ハウスメーカーなどと相談し、水害を意識した家づくりをすることも防災対策の一つです。

家の水害対策まとめ

家の水害対策をまとめると以下のようになります。

・床下浸水、床上浸水など浸水の種類と被害を知っておく
・浸「水」はただの水じゃなく、汚水泥水である
・水が引いたらまずは泥を掻き出し、壁や家具は水洗いする
・消毒作業は徹底して行う
・急な水害には「水のう」で排水口の逆流を防ぐ
・オリジナルのハザードマップを作っておく
・非常用品の備蓄を怠らない
・家を建てる時には「水害」を意識する

いざというときには役立てるよう、日頃からの防災シミュレートも忘れずに行っておけば、いざというときに家族を守ることができます!

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。