太明コラム

もしものときの災害に備える家づくり~水害編①~

地震や台風などの自然災害が目立つ日本ですが、それ以上に、被害数が多く、そして日本中どこにいてもその危険に見舞われる自然災害が「水害」です。

日本には大小縦横無尽に河川が流れ、沼があり、湖があり、川のないところにはため池があり、そして島国ですので、国を囲んでぐるりと海岸線があり大海原へとつながっています。

暮らしや産業を支える上で必要な「水」が豊かであることはとても良い事ですが、集中豪雨やゲリラ豪雨、線状降雨帯など、想定外の大雨に見舞われてしまうと、豊かな水は一気に牙をむき、河川の氾濫や土砂災害、高潮などの「水害」をもたらします。
近年の異常気
象により、日本各所で「何十年に一度の大雨」に見舞われ、水に沈み、土砂に埋もれた場所は数知れません。

もしもの災害に備えるための家づくりとして、水害対策をご紹介します。

水害で家にはどんな被害と対処法

水害は家にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
水害の被害の種類とその対処法についてまとめてみました。

●床上浸水

・床上浸水とは?
床上浸水は家の床上まで浸水してしまう被害を指します。
浸「水」とは言いますが、そのほとんどは泥や漂流物の混じった汚水です。
水が引いた後は、比重のある泥が残ります。
床上浸水の被害額は床下浸水の被害額の7倍と言われるほど、家や家財に深刻なダメージを与えます。

・床上浸水の対処法
まずは、家の家財道具を運びだします。その後で汚泥や堆積物をスコップで掻き出します。畳やカーペットは外して雑巾などで吸水し、風に当てて乾燥させます。
外壁・床・家具は汚れを水で洗い流し、家電などの洗えないものは雑巾で水拭きをして泥を落とします。
食器類や調理器具は念入りに水洗いして汚れを落としましょう。

●床下浸水

・床下浸水とは?
床下浸水とは浸水深0~0.5mくらいで住家の床より下までの浸水を指します。
その定義は「床上浸水に至らない程度に浸水したもの」となっています。

・床下浸水の対処法
床下浸水は床上浸水とは違い、見た目に浸水しているかどうかはわかりません。
水が引けば元通りの生活に戻れそうですが、前述した通り、浸「水」はただの水ではありません。
汚泥がたまり、放置すると異臭やカビの原因にもなります。
まずは家の周囲や床下に流れついている汚泥などを掻き出します。
外壁は水洗いし、家の中で水が溜まっている場所があったら雑巾で吸水し、扇風機などをあてて乾燥させます。
温風のものは熱で木材が歪んでしまうのでNGです。

水害の後の消毒方法

床下浸水でも床上浸水でも、あらゆる雑菌やバクテリアなどを不衛生なものが含まれた汚水で満たされてしまうため、水が引いたあとの衛生状態は良くありません。
ましてや、暑いシーズンならば、雑菌はあっという間に繁殖し、食中毒や感染症などのリスクが倍増します。
これらの二次災害を抑えるためにも、汚泥の片づけが済んだら早急な消毒が必要となります。

使用する消毒液とその場所

●塩化ベンザルコニウム
漂白効果はないが、その分、家を傷めないので床や畳などさまざまなものの消毒ができる。ただしゴム製品は使用できません。

使用する場所

・床や畳…0.2%の塩化ベンザルコニウムで拭き上げ、風通しを良くして乾燥する。

・トイレやその周辺…便器や便座、その周辺に0.2%の塩化ベンザルコニウムを散布。壁や床も同様に0.2%の塩化ベンザルコニウムで拭き上げ、自然乾燥させる。

・手指…汚れを石鹸で洗い、流水で注いだあと、0.1%の塩化ベンザルコニウムで30秒ほどもみ洗いして、乾いたタオルで拭く。

次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)

殺菌作用が強く、漂白効果があります。金属に使うと劣化するので使用しないで下さい。

使用する場所

・食器類…熱湯消毒、もしくは0.02%の次亜塩素酸ナトリウムに5分以上浸けおき、水洗いする。

・衣類…0.02~0.05%の次亜塩素酸ナトリウムに30分以上浸けおきして選択する。

消毒用アルコール

消毒用アルコールは汎用性が高く、なじみのある消毒液です。

使用する場所

・家具…汚れを拭き取った後に消毒用アルコールで拭き上げる

・便器や壁などを塩化ベンザルコニウムで拭いた後に、消毒用アルコールで仕上げる。

もしものときの災害に備える家づくり~水害編②~では、「日頃から備える5つの水害対策」についてご紹介させていただきます。

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